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11月22日(火)東京都庭園美術館見学会のご報告

2017.01.09up

11月22日(火)16時より、白金台にある東京都庭園美術館の新館・本館の見学会が行われました。学生5名、OBが19名の、合わせて24名が参加し、非常に実りある見学会となりました。
この美術館は、朝香宮邸として建設され戦後まで使用されてきたアールデコ様式の本館と、新たに建設された新館から構成されています。本館は設備劣化に伴う改修、新館は管理棟としての建て替えのために施工が行われました。これらは久米設計により修復・復原・新館の設計が行われ、今回の見学では美術館のアウトライン、本館、新館の順番で久米設計の安東直氏によって説明が行われました。

様々な意匠が凝らされた本館に加えて、新たに増築された新館はガラスがゆらめく入り口のアプローチや、広い空間を有する展示室などで構成されています。その中でも、ロビーの天井に用いられているPC床版は構造材の役割と意匠デザインを兼ねたものとなっており、特徴的な空間となっていました。また、見学会が終了する時間帯には、暗闇の中に天井の照明が浮かび上がり幻想的な空間へと変化していました。ここで用いられているコンクリートは、日本でよく見られる黒色系のコンクリートとは異なり白色系のコンクリートとなっていて、この空間・雰囲気を形成する一端を担っています。

さらに、白金台という周囲の環境に馴染むような外装や敷地周辺の樹木に対する日影規制など、この場所ならではのコンテクストによって影響された部分や、歴史的建造物ゆえに材を固定するのではなく何かあった時に外せるような工夫を凝らすなど、他の建築とは大きく異なる部分が多くあったことも印象的でした。しかし、それらの様々な工夫によって、歴史的建造物と新たな建築が共存し、「庭園美術館」というひとつの建築がつくられているように感じられました。

近代建築が歴史的建造物として保存されていく時代へとなっている現在において、このような近代建築の改修と新たな建築の共存はこの先においても増えていくと思います。建築史分野を専攻する私にとっても、その一例として今回の見学会は非常に勉強になるものとなりました。また、保存という行為に対する知識・理解をさらに深めていきたいと考えるきっかけにもなりました。

今回、このような貴重な機会を与えてくださった安藤直さんに心より感謝申し上げます。

(稲門建築会事業委員会学生委員 添田菜月)