2001年5月26日〜6月10日
     「旧帝国ホテル実測図面展」
〜建築に挑む図面表現の美〜

             阿部幸正(友40)
旧帝国ホテル
饗宴場および
オーディトリアム部分
の断面図
5月25日(金)深夜

人影もまばらな帝国ホテルのロビーで30数名の有志が集まり展示作業を開始する。いくつかの取材申し込みと、大倉土木としてライト館の建設に携わった大成建設広報部により日刊建設工業新聞・日刊建設通信新聞にも記事を掲載していただいた。アナウンス効果に勇気づけられ、黙々と朝まで作業は続いた。

5月26日(土)

つぎつぎと見学者が訪れ「旧帝国ホテル実測図面展」のオープン。
来場者は稲門建築会の会員以外に、他大学の建築・芸術系の関係者も多く、デジタル化された図面に慣れてしまった学生たちも図面の迫力に圧倒されながら熱心に見入っていた。

6月1日(金)

読売新聞文化欄に記事が掲載されると、翌日から一般来場者が倍増した。
新聞切り抜き片手に来た人、建築探険サークルの夫人たち、帝国ホテルや丸の内あたりで活躍したご老人など、来場者は多彩だ。質問も実に多彩だった。宿泊客の外国人たちも多数来場し、会場に置いた『旧帝国ホテルの実證的研究』を手に取り、いずれもが英訳本はないのかと問い合わせてきた。
 ライト館で華燭の宴を挙げた人なども多く訪れ、想い出話しがいくつも聞こえ、人生の折々に関わりあうホテルの役割を再認識させられた。  

6月6日(水)

日経朝刊に小さな記事が出ると、退社時間の頃からビジネスマンが続々と見学に現れた。
御江健二郎さん(苗H3・院H5)デザインのポスターとハガキは非常に人気があり、すぐに不足してしまった。会員から回収したり、最後にはカラーコピーまで登場した。会期中、案内係を務めた担当者は20名以上になった。

6月10日(日)

午後9時30分、撤収開始。零時、搬出完了 
組立式展示パネルは岡村製作所、照明器具は山田照明から建築学科に寄贈された。
粟野善治さん(苗44・院46)と明石家の書庫探索の日々から展示まで、胃の痛む日もあったが、村井修氏の写真提供、、賛同する企業、関係者の協力なくしては実際、成立しなかった事業だ。無事に最終日を迎えられたことを感謝している。
なお、今回展示された図面は、修復、保存処理済みだが、残りの図面修復、保存処理は残された課題だ。