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2020.10.12 UP

9/8の田中辰明氏(苗S38)の著書第2巻の電子出版のご紹介で、約文は以下の通りです。

既刊の「ハインリッヒ・チレが描いた労働者階級のベルリン近代史―ヒトラー出現まで、1巻」の続巻である。
ハインリッヒ・チレ(1858〜1929)は少年時代をベルリンの粗悪な労働者用集合住宅で過ごした。1875年あたりから、没年まで沢山の絵画、スケッチ、銅版画、写真を残した。しかしその多くは少年時代を過ごしたベルリン労働者の生活を描いたものであった。第一次世界大戦が勃発(1914年7月28日)する以前から、大戦中、そして敗戦(1918年11月11日)、戦後のヴァイマール共和国時代(1919〜1933年)を描いている。

筆者は建築家ブルーノ・タウトやバウハウスの研究を行ってきた。ブルーノ・タウトがベルリンで1920年代に12000戸の労働者を対象とした集合住宅を建設した背景にはチレが描いたベルリン労働者の貧困な住生活があった。タウトはこの改善の為に社会主義の思想により、懸命になって労働者用の湿り気の無い、日当たりの良い、通風がある健康な集合住宅を建設した。しかし氏の社会主義思想は1933年政権を取得したヒトラーに危険思想と見なされ、日本へ亡命のような形でやってきた。

現在の建築や絵画、工芸に多大な影響を与えたバウハウスも存続期間はヴァイマール共和国の時代と一致する。バウハウスもナチスの政権取得により、解散せざるを得なかった。

またチレが描いた労働者街から現在のドイツの社会民主党(SPD)などが立ち上がった。

(注記:亡命のような形で、来日したブルーノ・タウトを受け入れ世話した人たちは上野伊三郎(大正11年卒)、中尾保(大正12年卒)中西六郎(大正12年卒)、斎藤寅雄(昭和5年卒)ら稲門建築出身の方々であった。)特に上野伊三郎は、タウトが東大の建築学科で連続講義をした際にも通訳をしている)


本書は電子書籍ですので、Amazon Kindle版で、パソコンやタブレット、スマートホンからもご覧いただけます。 
Amazon Kindle版 定価 1000円(税込)



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