書籍『菊竹学校』の紹介

3ヶ月間、国立近現代建築資料館で開催された『建築のこころ　アーカイブに見る菊竹清訓展』は、大変盛況で、若い人にも菊竹さんへの関心が高いことが窺えました。没後、書籍『菊竹清訓巡礼』、展覧会『アーカイブ展』、シンポジウムや幾つかの団体展など、菊竹作品の情報発信が続きました。今回、紹介するのは、切り口が少し違う旧スタッフが語る菊竹観についてです。菊竹作品が『菊竹さんとスタッフのどんなやり取りから生れたのか』を明らかする『菊竹学校』という本です。
菊竹さんは理論派建築家の代表的存在です。そんな建築家がどんなやり方で設計をしていたのか、とても興味の湧く所です。理論的にすんなり設計しているかと思いきや、実は想像も着かないほど凄まじいやり方です。３０代で代表作の多くを設計した、早成した建築家でした。この為、1953年の事務所開設早々から、つい最近まで、多くの若き才能が集まりました。今ではその人たちが建築界の中核で活躍しています。この人たちが修業時代、菊竹学校でどんな教育を受けていたのか、是非、読んでみてください。旧スタッフ６３人が執筆に参加しています。

菊竹学校 伝えたい建築をつくる心
　　　　　－目次－

菊竹清訓 実測スケッチ　

寄稿　穂積信夫

第1章 1950年代
　遠藤勝勧 小川 惇 内井昭蔵（転載）

第2章 1960年代前半
　土井鷹雄 武者英二（転載） 遠藤勝勧（転載） 猪狩達夫　高田光雄 岸本雄二（一部転載） フレッド・トンプソン 斎藤 義 長谷川逸子 伊東豊雄（転載） 仙田 満

第3章 1960年代後半
　安山宣之 ロバート・クレイトン（転載） 豊田隆則 三橋 満 富永 讓 藤井 昭 田岸直行 原田鎮郎

第4章 1970年代前半
　鈴木啓二 伏木満里子 二井弘一 井下田孝彦 首藤泰比古 阿波秀貢 鈴木克彦 ピーター・アームストロング

第5章 1970年代後半
　鈴木啓二 秋山恒夫 江角彰宣 青柳秀夫 池尻 満 高橋英二 宮宇地一彦 中島俊夫 大江 匡 原田敬美 内藤 廣 佐藤尚巳

第6章 1980年代
　みぞぶちかずま 本田いづみ 古橋 祐 吉澤章子 寺岡豊博 中西ヒロツグ 八田雅章 種生明徳 前鶴謙二 松本 大 来間直樹

第7章 1990年代から2000年代
　山崎一彦 相越直子 三田敏嗣 鹿田健一朗 藤田征樹 山岡哲哉 稲葉武司 松里征男 田村信之 塚本二朗 大村香緒里　　　　　　　¦¦¦¦¦¦¦

菊竹清訓 略歴
Ｋパーティーの記録 所員在籍年表 編集後記藤原千晴


●編・著：菊竹学校編集委員会　
●発行：NPO法人建築文化継承機構　
●発売：建築画報社☎03-3356-2568　
●値段：3240円(税込)　
●購入場所：一般書店・早大生協

早苗42　鈴木啓二