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「葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画(素案)」に対する意見募集への投稿のお願い(1/25締切)

2020.01.14up

葛西臨海水族園パブリックコメント投稿のお願い(1/25締切)


緊急シンポジウム「葛西臨海水族園の長寿命化を考える」(日本建築学会主催)が2019年12月19日に開催されました。シンポジウム当日には、総勢約250人の建築関係者、一般市民の方々や報道関係者にお集まりいただき、葛西臨海水族園の今後のあり方についての活発な意見交換がなされました。東京都には東京都の方針について発言をしていただくために参加を呼びかけましたが、残念ながら辞退されました。
このシンポジウムへご参加いただいた方、関心を持って注視していただいていた方々には、感謝申し上げます。
シンポジウムの記録動画は下記よりご覧いただけます。
その1 https://youtu.be/Bd-O804rbXw
その2 https://youtu.be/HLC-KePorVM
その3 https://youtu.be/W0jeDSWsgMc

同シンポジウムでは、基調講演者である芸術院会員の建築家 槇文彦氏をはじめ、仙田満東京工業大学名誉教授(元日本建築学会長)、古谷誠章早稲田大学教授(前日本建築学会長)、松隈洋京都工業繊維大学教授ら建築界の各登壇者から、既存施設の文化的価値と既存施設を永続的に活用されることについて、多方面からの意義が語られました。特に、葛西臨海水族園の設立に関わり、初代水族園長の安部義孝ふくしま海洋科学館長からは、既存施設に対し、建築のみならず生物展示テーマについて強い保存要望が示されました。
続いて、現在東京都が開催している2019年度「葛西臨海水族園事業計画検討会」が既存施設を水族館として使い続けられない理由としている以下の2項目のうち、
1項目の既存施設のバリアフリー化改修が困難である点について、柳澤要千葉大学教授から「バリアフリー対策の改修については東京都が既存施設設計者に委託し、基本設計が完了し、一部を残し実施設計まで完了している。しかしながら工事はその一部しか発注されていない」事実が情報公開請求によって明らかになったことが報告されました。
2項目の東京都が既存施設の設備改修が不可能であるとしている点については、原設備設計者より、濾過器の搬出入ルートは設計当時から考慮され、外壁も取り外し可能で濾過器は搬出入可能であり、老朽化に伴い水族館機能が維持できないとする東京都の2018年度「葛西臨海水族園のあり方検討会」報告書の内容に対し強い異論が唱えられました。
これらの発言は、バリアフリー化の不足や老朽化により水族館機能が維持できないとした2018年度「葛西臨海水族園のあり方検討会」報告書の前提を根底から覆すものでした。

現在、東京都は葛西臨海水族園の設備機器や部分的な老朽化およびバリアー対策を理由に、現施設とは別に新施設を建設し、現施設から全ての水族館機能を剥奪し新施設へ移し替える計画をさらに進めています。
小池百合子知事は既存施設が水族館では無くなった後、結婚式場に使ったら!とまで発言しています。その後既存施設は取り壊しの可能性も予見されます。
これまでに5500万人以上の来園者があり、現在でも年間140万人ほどの来園者がある人気の施設です。建築の専門家でなくとも、水族園の入り口からゲートをくぐり噴水池のある広場に到る道行と、海と一体となった風景を背景にガラスドームから下降し体感する暗い水槽展示空間と明るい水槽展示空間が織りなす感動はほかでは経験できないものと思います。
東京の海辺の景観と一体となった豊かな体験ができる唯一の施設を水族館として、これからも永く使い続けていただくために、パブリックコメントへの投稿にご協力をお願いします。
意見投稿について
下記参照の上、メールまたはファクシミリで東京都建設局へ意見を投稿してください。

提出にあたっては、件名「葛西事業計画パブリックコメント」と明記の上、
[1]ご意見 [2]住所 [3]氏名または法人名 [4]年齢 [5]性別をご記入ください。
なお、[2][3][4][5]の記入は任意です。
Eメールの場合は、メール本文への記載をお願いいたします。
 

1) 募集期間:令和元年12月26日(木曜日)~令和2年1月25日(土曜日)

2) 提出先
 :

・Eメール: S0000380@section.metro.tokyo.jp

Eメールの場合は、メール本文への記載をお願いいたします。
 
・ファックス: 03-5388-1532
・郵送:〒163-8001 新宿区西新宿2-8-1 建設局公園緑地部計画課
3)意見募集に関する資料
 ・下記よりダウンロードできます。
「葛西水族園の更新に向けた事業計画(素案)(令和元年12月 建設局」http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/content/000046874.pdf

4)パブリックコメント投稿後、同じ内容を下記の頭書きを添えて、koe@metro.tokyo.jpへ送信しておいてください。なお、都知事宛ての投稿について期限はありません。
「東京都知事小池百合子様
日本国憲法第16条および請願法第3条に基づき、請願書(質問書、要望書など)を提出いたします。同法第5条に則り、誠実なご処理ご検討の上、各請願(質問、要望など)項目につき、1か月以内にご回答を頂きますよう、請願いたします。」

建築専門家ではない方々も含めて、多くの意見を投稿していただけるように、色々な知人友人に拡散していただければ幸いです。よろしくお願いします。
また、都知事あてにも投稿をし、よろしければ投稿後に、
pubcome.kaq@gmail.com
に投稿文をそのまま転送してください。前回同様改竄した結果が公表される恐れがあるので。それを把握するためです。

参考
・「葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画(素案)」の公表及び都民意見の募集について
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/12/26/10.html
・葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/jigyo/park/zoo/kouen0063.html
・葛西臨海水族園事業計画検討会
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/jigyo/park/zoo/kouen0069.html
・葛西臨海水族園のあり方検討会
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/jigyo/park/zoo/kouen0037.html

下記意見を参考にご意見を投稿してください。
1) 開園から約30年経過した現在、これまでに延5500万人を超える来園者があり、今でも年間150万人が訪れる施設です。今の施設を保全により長寿命化し内部の水槽の展示替えや設備の更新などにより水族館として使い続けてください。
2) 新施設を建設し、そこへすべての水族館機能を移すのではなく、今の施設を保全により長寿命化し内部の水槽の展示替えや設備の更新などにより水族館として使い続け、さらに水量の多いマグロの大水槽などの入る新館を増築するなどにより、魅力ある水族園へと更新してください。
3) 東京都は老朽化とバリアーフリー対策を叫んでいますが、全体の構造には問題はなく、水槽まわりの一部の老朽化対策をすればよく、バリアフリー対策については、基本設計および一部実施設計が終了していながら、一部を除き工事発注を行っていないとのことです。これにより既存施設を水族館として使わなくする理由にはなりません。事実を隠蔽したまま、「既存施設とは別に新たに建築する建物に水族園機能を移設」、「既存施設については、水族園機能を移設後、施設の状態等を調査の上そのあり方を検討」と新施設の実現に向け進めようとしていることに反対します。
4) 昨年のパブリックコメントの結果は89%が既存施設の水族園としての活用や更新を望んでいたにもかかわらず、民意を無視し、改ざんし、新施設建設ありきの基本構想がまとめられたことは許されません。民意に反する計画を中止し、委員会をやり直すべきです。
5) 東京都は発注方式として、設計・施工・工事監理・維持管理を一括して複数年度で発注することを提言していますが、委員会では、経済性優先になるため、設計に自由度がなくなるなどの問題点も指摘されています。設計は独立して委託すべきです。

村松基安(苗S55)