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No.200≪2020.12.11≫

2020.12.11up

【稲門建築会メルマガ】No.200≪2020.12.11≫
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街ゆく人たちも厚着になり、すっかり冬となりました。
今年もあとわずかになり、少しずつ街には年末の雰囲気が見え始めています。

冬クウォーターでは再びオンライン授業の形式に戻り、
理工キャンパスに人が集まれないことは少し寂しく感じます。

再び感染者の人数が増え、もう一度気を引き締める必要があるのではないでしょうか。
年末で忘年会などのイベント等あるとは思いますが、
自らの判断でできる限りの感染予防に努めましょう。

広報学生委員 伊藤丈治(古谷・藤井研究室 修士1年)
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00≪コンテンツ≫
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01≪稲門建築会メルマガ配信200回によせて 広報委員長 兒玉謙一郎≫
02≪野村均氏インタビュー 「コロナによる変化について」、「これからの建築・都市の在り方」≫
03≪「2020年度OBOGによる仕事紹介」の報告≫
04≪早稲田大学芸術学校「製図レクチャー・ナイトオープンキャンパス」のご案内≫
05≪WA2021発行における各賞受賞者の募集≫
06≪こちら事務局≫

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01≪稲門建築会メルマガ配信200回によせて 広報委員長 兒玉謙一郎≫
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稲門建築会会員の皆様、お世話になっております。
稲門建築会広報委員会の委員長をしております兒玉です。

皆様へ配信をしております稲門建築会のメールマガジンですが、
本年最後となります今回12月号の配信が通算200回目となります。
ここまで続けてこれたのも、会員皆様をはじめ、
歴代の稲門建築会役員や支部の皆様のご支援があってのことです。
誠にありがとうございました。

メルマガは2002年9月から配信が開始されていますが、
広報委員会学生委員が中心となってまとめ、連絡先のわかる会員の皆様へ、
夏季休校の8月を除いた毎月配信を致しております。
会員の皆様に関連した情報を定期に発信することで会員間の交流や情報共有を図り、
会内の繋がり、会の発展に寄与するタイムリーで重要なツールと考えております。
皆様で発信したい情報があれば、これからも益々ご活用頂きたく思います。

本年はコロナ禍の中、集まることもできなくなり一旦休止する話もでましたが、
皆様のお陰で何とか続けることができました。
9月号からはイベント等の減少に伴い記事も減少したため、
各界の方にこれからの建築についてインタビューの記事の掲載も始めております。

来年からもまた配信300回に向けて改善しながら、
皆様の元へメルマガをお届けしたいと考えています。
過去のメルマガについてもホームページで見ることができますので、ご活用下さい。
これからも御愛顧のほど宜しくお願い致します。

広報委員会委員長  兒玉謙一郎 (苗H02)

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02≪野村均氏インタビュー 「コロナによる変化について」、「これからの建築・都市の在り方」≫
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コロナ禍で大変な今、業界の第一線で活躍する方々は何を思うのか、お話をお伺いする企画です!
年内最後となる、第3回目の今回は、東京建物株式会社 代表取締役社長 野村均氏に、
実際に会社にお伺いし、インタビューしてきました。
それに伴って、今月号にはインタビューに関するお写真が添付してあります。
ぜひご覧ください!

■新型コロナウィルス感染拡大に伴い、社内での働き方に変化はありましたか?
時代の流れの変化と共に従前より働き方改革に着手しており、
BCP対応を含めパソコンの配布などのインフラ整備は予め行っていました。
感染拡大に伴い定例会議や取締役会などをwebで行うこともありましたが、
結論的には本当に深い議論をしようとするとやはりwebでは仕事にならないということを認識しました。
我々の会社はチームで仕事を進めていく場面が多く、
こういう会社にとっては、やはりwebには限界があるなと感じました。

■これからの建築や都市のあり方はどう変わっていくと思いますか?
SDGsやESGなどが盛んに叫ばれている中で、
環境配慮が企業の姿勢としても建築の世界でも求められると強く意識しています。
特に我々デベロッパーがSDGsの中で最も対応できる分野は環境分野であると思います。
例えば東京のど真ん中に本物の森を再生した大手町タワー、
3haの緑豊かなオープンスペースに囲まれた中野セントラルパーク、
立体的緑化空間・京橋の丘を形成した東京スクエアガーデンなど、
コーポレートカラーがグリーンであることもあり、
我々も緑を意識した開発を従前から行ってきています。
今年策定した長期ビジョンの中では、社会課題の解決と会社の成長を両立させようと表明しました。
自然災害が年々悪化しているように感じますので、
社会課題の一つとして地球規模の環境対応というものを強く意識した
街づくりや建物づくりは必要不可欠であると思います。

■コロナによって、建物用途ごとの需要の変化はありますか?
私共はビルの賃貸業と分譲マンションを中心とした住宅事業を2つの柱として事業を展開しています。
オフィスビルに関しては幸いにもコロナの影響をそれほど受けていない状況であると認識しています。
「オフィス不要論」などがマスコミに取り上げられていますが、
決して現実にはそのようなことにはならず、コロナが落ち着いてきたら、
私はおおよその会社はほぼ従前と同じ働き方に戻るだろうと考えています。
一か所に集まり深い議論することによって、物事を派生させたり、
新しいアイデアを作ったりすることができるようになると強く実感しています。

もう一方の住宅は今現在のことだけでいうと、beforeコロナよりも好調です。
特に、毎日通勤しなくても良いとか、テレワークを前提とした働き方に
一部の企業が変わっていくといった流れがあり、
多少遠距離であっても部屋数の多い、広い家に住みたいということから、
郊外に早々と住宅を購入する動きが実際ありました。
都心のマンションは元々好調であったのに加え、
郊外が少しプラスになってきているという印象です。
 
■今後、「建物の感染制御性能」が不動産価値の一つになる可能性はありますか?
要素の一つには間違いなく入ってくると思います。
建物作りの中で、例えば換気性能などが見直されるかもしれません。
今までは機械的な換気を行う密閉性の高いビルが、熱効率がいいという意味で評価されていたかもしれませんが、
もしかしたら外気をうまく取り入れて熱効率を落とさないようなものが今後評価されてくるかもしれません。
建築の骨格はあまり変わらないとは思いますが、内部のレイアウトに関しては、
コロナを別としても時代と共に変化していくと思います。

■「2050カーボンニュートラル」に向けて、東京建物はどう取り組んでいきますか?
私たちはサステナビリティ委員会というものを立ち上げて、
我々が目指す社会課題の解決と企業の成長をより高いレベルで両立させるために
何をマテリアリティ(重要課題)として取り上げるのか、
具体的に一企業ができることは何なのだろうと考え議論をしている最中です。
ただ、一東京建物が例えば年間数千戸のマンションを手掛ける中でできることが
社会課題の解決になるというような言い方をしていいのかと思う部分もあります。
しかし、所詮一企業にできることはそういうことの積み重ねであり、
各企業の成果を積み重ねることで結果的に日本全体が取り組むということになります。
世界規模の議論をしなくてはいけないということではなくて、
カーボンニュートラルについても自分たちが本当に貢献できることをしっかりマテリアリティとして認識をして、
全社員同じベクトルに向かって進んでいきたいと考えています。

■サステナビリティへの取り組みに関する事例を紹介していただけますか?
池袋で今年竣工したHareza TowerはZEB readyを取得し、
超高層複合用途ビルでは認証取得第1号となりました。
また、八重洲、日本橋、京橋を含めたエリアを(大丸有に対して)八日京(はちにちきょう)と呼んでおり、
八日京における代表企業としてエリアマネジメントに取り組んでいます。
八日京にベンチャーなどクリエイティブで先進的な企業や人々を誘致していって、
イノベーションを起こしていこうという取り組みをしています。

東京建物は今年124周年を迎えましたが、一貫して八重洲周辺に本社を構えています。
八重洲と丸の内は、同じ東京駅を挟んで東側に出るか西側に出るかだけの違いです。
ただ、従前の八日京エリアは歴史的にも細かい個人の商店を含めた町人街でしたので、
細分化された土地利用しかされておらず、
もともと武家屋敷があった大丸有のように大きなブロックではありませんでした。
しかし、日本橋、京橋が先行的にブロック単位での開発により機能更新がされ、
私共の八重洲でも街区単位の大きな建物ができあがると、
東京駅の中央区側も大街区が連続した街並みに変わります。
昔ながらの個人商店など人情味あふれた要素を残しながら、
最新型のビルもあるというような色彩を打ち出して丸の内側との差を打ち出し、
点ではなく面としていろいろな要素を取り込んだサステナブルな街づくりをしていきたいと思います。

■最後に学生へのメッセージをお願いします。
学生さん同士でも日々の友情を育むことも含めてリアルな部分が絶対に必要なのではないでしょうか。
不動産は例えばスマホみたいなものを作るのと違って扱うものが唯一無二であり、
作ったものを動かすことができません。建築が専門のみなさんにとって、
動かないものの上に何を作るかあるいは設計するかと考える際には、
やはり自分の足で立ってその敷地の周辺も含めて見て回らないと本当の理解にはつながらないと強く実感しています。
世の中がどんなに便利な時代になってもやはり建築は不動産の上で行われる行為だと思いますので、
周辺との折り合いや空気感などリアルな感覚は絶対必要ですし、なくしてはいけないと思います。

また、我々にとってもそうですが、一企業、一単体不動産でできることはその敷地の中においてのことだけですが、
それでは街の発展もないし、世界の都市間競争に資するような開発になっていきません。
一つの敷地しか計画の対象にしないにしても、
周辺とのつながりや将来の変化を見据えた思想や設計というものを
常に頭に置きながら単体を設計するということは必要なことだと思います。
建築を専門にするのであれば、エリアや将来を見越した上で絵を描いていただきたいし、
そういう街づくりに関与していただきたいと思います。

添付写真
野村均氏インタビュー風景、Hareza池袋、
東京駅前八重洲一丁目東B地区市街地再開発事業の三点です。
★書籍やweb等への転載・掲載は禁止とさせていただきます。

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野村 均

学歴
昭和56年3月  早稲田大学商学部卒業

職歴
昭和56年4月  東京建物株式会社 入社
平成8年4月   流通営業部 グループリーダー
平成11年4月 東京建物不動産販売株式会社 法人営業部部長代理
平成12年10月 ビル営業部 グループリーダー
平成17年3月 ビルマネジメント部長
平成19年6月 ビル企画部長
平成20年3月 取締役 ビル企画部長
平成23年3月 常務取締役
関西支店・九州支店担当兼ビル事業本部長
平成25年3月 常務取締役
関西支店・九州支店担当兼ビル事業本部長
取締役常務執行役員
平成27年3月 取締役専務執行役員 
人事部・企画部・総務コンプライアンス部担当
平成29年1月  代表取締役社長執行役員
内部監査室担当(現在に至る)
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インタビュアー
新田竜 (田辺研 修1) 、友光俊介 (有賀研 修1)
大内政男(苗S47)、兒玉謙一郎 (苗H02)

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03≪「2020年度OBOGによる仕事紹介」の報告≫
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今年度の「OBOGによる仕事紹介」はコロナ禍のためオンラインで開催しました。

ご参加いただきました職域の皆さん、学生の皆さん、ご協力いただいた方々ありがとうございました。
初めての リモートによる開催のため不具合もありましたが、
有意義な「仕事紹介」とすることができたと思います。

1部の「職種別仕事紹介」は15職種・26名のOBOGのプレゼを1週間視聴いただきました。
2部の「企業別仕事紹介」は参加職域53社、学生出席は延べ1214人でした。
3部の懇親会も約50名の参加をいただき、エール・校歌斉唱で締めました。

各職域にお願いしていますアンケートを参考にさせていただき、
来年度どのような状況になっているがわかりませんが、
更にグレードアップしていきたいと考えています。

会員委員会委員長 中田康将(苗H1)

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04≪早稲田大学芸術学校「製図レクチャー・ナイトオープンキャンパス」のご案内≫
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新型コロナウィルス感染症拡大防止対策を行いながら、来校参加型のイベントを開催致します。
今年度は夜間専門学校ということで少人数制の「ナイトオープンキャンパス」も実施致します。
社会人の方の仕事帰り、高校生の放課後にも参加可能です。

■12月19日(土)13:00~15:30 製図体験レクチャー
授業で使用している製図室で製図台の使い方から鉛筆を使った線の描き方まで、
図面を描くための基本動作を丁寧に指導します。
在学生、卒業生のサポートもあり、学校生活への質問も出来る機会となっています。

■ナイトオープンキャンパス
12/11(金)~2/5(金)全8日 1日2枠限定
18:30-19:30 20:00-21:00(日程により実施時間が異なります)
専任教員による「授業見学」「施設見学」「個別相談」を約1時間で行います。

■入試情報
第1回入試:1/30(土)第2回入試:2/27(土)第3回入試:3/13(日)

建築を学ぶことにご関心をお持ちの方々へ
ぜひ今回の早稲田大学芸術学校説明会をご案内いただければ幸いです。

詳細は以下よりご覧いただけます。
https://www.waseda.jp/school/art/applicants/

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05≪WA2021発行における各賞受賞者の募集≫
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各賞受賞者を募集いたします。*自薦・他薦を問いません。

対象
2020年1月~12月に受賞された方であればどのような賞でも構いません。
稲門建築会のOBOG、現役学生

各賞受賞者の自薦・他薦は、こちらの二人にご連絡ください。
伊藤丈治(学生委員 修士1年)george.osaru3@akane.waseda.jp
嶋田千秋(学生委員 修士1年)smd-chiaki@moegi.waseda.jp  

よろしくお願いいたします。

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06≪こちら事務局≫
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コロナ禍の中で活動は何もできないかと諦めかけた時もありましたが、
会員の皆様の強力なバックアップを受け、例年にない記憶に残る活動が出来た年になりました。
困難から新しいものが生まれると実感しました。
来年も事務局一同早稲田のチャレンジ精神で頑張りますので、
皆様のご協力をお願いいたします。

尚、事務局は12月18日に2階から4階に引っ越します。
位置はそのまま上にスライドし、新しい部屋で新年を迎えることになります。
共用会議室も出来ますので遊びに来てください。

それでは皆様良いお年をお迎えください。

事務局長 鴇田 隆(苗S48)

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【稲門建築会メルマガ】No.200≪2020.12.11≫

総編集長 :稲門建築会会長 大内政男(苗S47)
編集責任者:広報委員長 兒玉謙一郎(苗H02)

学生委員:永島啓陽(修2)、坂井高久(修2)
本間菫子(修2)、津田基史(修2)
髙瀨道乃(修2)、前田侃亮(修2)
沖美彩子(修2)、木村一暁(修2)
乙戸理央(修2)、嶋田千秋(修1)
伊藤丈治(修1)、秋山曜(修1)
友光俊介(修1)、新田竜(修1)
後藤佑美(修1)、上田留理子(修1)
魚谷昭太(修1)、原田佳典(修1)

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