TOP 活動記録

2011年度 稲門建築会の活動予定

2017年度の活動

2017年10月18日(水) 三浦丈典氏講演会のお知らせ

講演タイトル:『いまはまだないしごとに やがてつくきみたちへ』


講演概要:2008年を境に急激な人口減社会へ突入した日本で、「建築家」の役割は大きく変わりつつあります。
今まであった仕事がなくなり、今までなかった仕事が生まれています。建築学科を卒業したからといって安心なレールがあるわけでもなく、ひとりひとり誰もが新しい仕事、働き方、生き方を楽しみながら発明していく時代に移行したといえるでしょう。

この度の講演会では、様々な意味を持つようになった「建築家」について、さらにその「建築家」としての活動についてお話し頂きます。
皆様是非ご参加下さい。


日時:2017年10月18日(水)18:30~

場所:西早稲田キャンパス(理工学部)57号館 202教室

※申込不要、参加費無料


三浦丈典(みうら たけのり)氏略歴

・1974年東京都生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒。
・ロンドン大学バートレット校ディプロマコース修了。
・早稲田大学大学院博士過程満期修了。
・2001年~2006年までNASCA勤務。
・2007年設計事務所スターパイロッツ設立。
大小さまざまな設計活動に関わり、最近では親子カフェや産後ケア院など新しい建築プログラムにも携わる。
自ら手がけたプロジェクトの企画運営にも積極的に参画し、シェアハウスやハウススタジオも経営。


受賞履歴
・2007年 日本建築学会作品選奨(茅野市民館 共同設計者)
・2013年 長野県木島平村「農の拠点施設設計プロポーザル」最優秀賞
・2014年 長野県新県立大学施設整備事業設計プロポーザル最優秀賞
・2015年 海の駅ファームス木島平 グッドデザイン金賞
・2016年 岡山県西粟倉村子育て支援の場設計プロポーザル最優秀賞

2017年6月2日(金) 野老朝雄氏特別講演会のご報告

6月2日(金)18時15分より、2020年東京にて開催される夏季オリンピック・パラリンピックのロゴデザインが採用されたデザイナーの野老朝雄氏による講演会が開催されました。「個と群」と題して野老氏のこれまでのデザインに対する考え方や、思考のプロセス、デザインを作り出す道具、またこれからの展望について話していただきました。
今回はOBの方々や早稲田大学の先生がたに加え、学生も多く見受けられました。エンブレムのニュースが記憶に新しいこともあり、デザインへの関心が高い多くの学生が参加していました。

 はじめは今回の講演会のポスターとなっている紋様のデザインの仕組みを明らかにしつつ、「個と群」を生かしたデザインについて紹介されました。それぞれある一つのルールに従って幾何学的に紋様を展開していくことで個性を持っているかのような形が全体で一つの群をなすデザインについて、ポスターの話を皮切りに、野老氏のデザインの考え方を解説していただきました。一円玉のような身近なものから幾何学的にデザインを展開する手法と、野老氏の名刺デザインにもなっているようにお絵描き的にデザインを展開していく手法の2パターンが主なデザインのメソッドだと話されました。

デザインにおいては、何の判断材料を優先するかを決めることが何よりも大切だと話す野老氏。数々の実作(みかんぐみのロゴデザインや万博出展のデザイン、建築のファサードデザインなど)からデザインにおいて大切な判断の基準、一つのデザインにどれだけの情報を盛り込めるか、数学的幾何にそったデザインを作り出した時の喜び、『コンディションスペシフィック』を元にブリコラージュ的にデザインを生み出すこと、柄としてピースマークについてなど、多様なデザインにまつわる話をされている時の野老氏はとても楽しそうで印象的でした。野老氏のデザインを生み出すためのオリジナルの玩具を用いての説明には会場中が釘付けとなり、とても勉強になりました。講演会後の懇親会ではその道具で実際に遊ぶ体験もさせてもらい、デザインの楽しさに触れることもできました。

講演会終盤のお話にあった、新しい唐草模様、立体作品への取り組みなどからここまで有名になられても意欲的な姿勢を感じ、それは学生も見習うべきだと思いました。デザインに対する考え方と姿勢、どちらも感じられる素晴らしい講演会となりました。

(稲門建築会事業委員会 学生委員 齋藤隼)

2017年5月20日(土) 『株式会社 オーディオテクニカ本社』見学会のご報告

5月20日(土)、東京都町田市にて『株式会社 オーディオテクニカ本社』見学会が行われました。早稲田大学芸術学校校長である赤坂喜顕先生が設計された建築ということで学生の参加も多く(計83名のうち28名が学生)、早稲田建築に関わる幅広い年代層が大勢集まる見学会となりました。

この建物は、2016年1月に竣工したオーディオテクニカの新たな本社ビルです。1965年に新宿からこの地(町田市成瀬)に本社・工場を新築・移転して以来、増改築を重ねて使い続けられた建物が一新されました。設計は早稲田大学の赤坂喜顕研究室と竹中工務店の産学連携によるものです。見学会は、建物の外観を一通り見回った後に設計に関するレクチャーを受け、その後内部の見学という流れで行われました。設計者である赤坂先生、竹中工務店の方々から丁寧な解説をいただきながらの見学で、空間体験と同時に設計時に込められた思いを知ることのできる充実した時間となりました。

まず建物を訪れて、眼前に迫り来るような力強く特徴的なフォルムが強く印象に残りました。外観の見学では、建物を構成する4面がすべて道路に囲まれており、それら4つの立面はそれぞれ異なる様相を呈していることを確認しました。その後内部を見学することで、この建築の特徴でもある「立面が内部空間を表している」ことを体感できました。
また、もう一つの特徴として、敷地全体がなだらかな傾斜地にあることが挙げられます。このため、建物は基準階を持たず、南北でフロアレベルの異なるゾーン(南側は事務管理ゾーン、北側は研究開発ゾーン)に分割され、これらが中央のスロープと階段でつながるスキップフロア構造となっています。これにより機能を分節しつつも相互の関係性を持たせるともに、断面形状にも変化をもたらしています。
このように、地形というポテンシャルをプログラム・断面へと反映させ、さらに内部空間を透過させたかのように立面へと昇華させるという設計の一連の流れが見事であると感じました。また、地形の差異はもちろん、住宅街と工場のスケール感の違いまでを造形に落とし込んでいることや、手すりやドアなど建物の細部にもこだわりを持ち丁寧に設計されていることに対しても設計者としての熱い姿勢を感じ、感銘を受けました。

見学会を通し、意匠設計者の造形に対する強い意志と実現力を感じ取ることができました。私は将来構造設計に携わる予定ですが、構造設計者としての職能に囚われず、意匠設計者をはじめ様々な人々の思いを汲み取った設計をしたいと改めて感じました。
最後に、貴重なお話をしてくださった赤坂喜顕先生、竹中工務店の皆様、貴重な場を提供してくださったオーディオテクニカの皆様に心よりお礼申し上げます。

(稲門建築会事業委員会学生理事 土岡真大)

2017年4月22日(土) 『東京電機大学 東京千住キャンパス』見学会のご報告

4月22日(土)、東京電機大学 東京千住キャンパス見学会が行われました。朝早くからの開催でしたが、40名が参加し活気ある見学会となりました。
 
2012年、東京電機大学は創立100周年を機に創立地神田から北千住に移転し、新しく東京千住キャンパスとして開設されています(第1期計画)。そして2017年、それに続く第2期計画(5号館)が竣工・開設されました。今回は設計を担当された槇総合計画事務所の鹿島大睦氏に先導していただき、新たに開設された第2期計画の内外とともに、第1期計画における建物やパブリックスペースも同時に見学することができました。

本計画の最大の特徴は、地区計画の一環としてのキャンパスであるということでしょう。現在キャンパスとして使用されているJT跡地の土地利用転換を契機に、北千住駅東口周辺地区のまちづくりが進められてきました。そのため、大学という機能に加え地域に開放されたキャンパスであることが求められています。そのことを象徴するかのように、キャンパス内には一切塀が設けられていません。キャンパスと路地に挟まれたガーデンでは緑と家具の一体化が図られており、通行する人々の憩いの場となっています。このようなガーデンをはじめ、キャンパス内すべての境界において綿密なデザインが施されていると感じました。また、見学中は敷地の中央に位置するキャンパスプラザで市民による催しが行われており、まちづくりの核となる開かれたキャンパスであることを人々のアクティビティから実感することができました。
第2期計画となる5号館も、建物内部に通り抜け可能なアトリウムを計画されていたり、学外経営のスポーツクラブが設置されていたりと、地域に開放されたキャンパスという第1期計画のコンセプトを踏襲した設計がなされています。こちらでは3層吹き抜けのものづくりセンター、研究室・教室内部等、様々な施設を見学させていただきました。その中で、エアフローウインドウによる環境負荷の低減や、ファサードがガラスとアルミの組み合わせによって景色が映り奥行きを感じさせる設計となっていること、石の素材感と白さを追求した外壁PC版を用いていることなど、建築物としての工夫を知ることができました。

今回の見学会では、地区計画という都市的なスケールの話からファサードなどの建築的なスケールの話まで伺うことができ、建築が都市に与える影響の大きさとともに構造物としての繊細さを感じました。最後に、丁寧にご説明、ご案内してくださった槇総合計画事務所の皆様に心よりお礼申し上げます。

(稲門建築会事業委員会学生理事 土岡真大)

稲門建築会懇親会in広島

≪稲門建築会懇親会in広島≫ 中国支部長 首藤治久

■日本建築学会全国大会2017 稲門建築会懇親会in広島 
http://taikai.aij.or.jp/2017/

今年は8月31日~3日(4日間)に広島工業大学で建築学会の全国大会が開催されます。
恒例になっておりますが、今回も稲門建築会の懇親会を合わせて開催したいと思います。
稲門建築会の懇親会は、大会懇親会と重ならないよう翌日の9月1日(金)に設定しました。
会場の準備がありますので出席される方は事前にご連絡をください。
学生の参加も大歓迎ですので、多くの皆様とお会いできるのを楽しみにしています。



日本建築学会全国大会2017 稲門建築会懇親会in広島
日時:9/1(金) 19:00~
会場:オリエンタルホテル広島23F MOON GLOW 広島市中区田中町6-10
交通アクセス:広島駅より市内電車(宮島方面)胡町(えびすちょう)下車、徒歩8分
会費: 3,000円( 学生 1,000円)

申し込み・連絡先:稲門建築会中国支部長 
首藤治久/広島工業大学
h.shudoh.ar@it-hiroshima.ac.jp